居宅部門ブログ(2022年3月)高齢者の転倒予防について ~行動制限VS緩和~
2022.03.01
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お知らせ
こんにちは
グレース居宅介護支援事業所多摩の田中です
興奮と感動を与えてくれた北京オリンピックはあっという間に終わってしまったというのに、
新型コロナの終息は、いまだに見通せない状況です
日々、感染予防対策をとっていますが、さすがに疲れを感じます(疲れの根幹は不安…)
新型コロナニュースの中で、人の行動制限や緩和に関する内容があります
・感染拡大は防ぎたいので、行動は制限しましょうと…(そうだそうだ!感染は嫌だ)
・でもそれでは経済が低迷するので、緩和をしましょうと…(それもそうだ!経済は大事だ)
相反する方針(制限VS緩和)、規模の違いはありますが、介護の現場でもありませんか
→ 例えば 「 転倒防止 」
特に認知面が低下しているケースの場合、安全のために一人で動くのは避けてほしいことってありますよね これに転倒既往があったりしたら? ( うわ~怖い )
ちょっとした動作や移動ならまだしも、明らかに大事故につながるような行動はやっぱりやめてほしいですよね さらにさらに、骨折既往などがあったりしたら?(わ~もうやめて!)
でも行動を制限すれば、自由や活動機会は奪われますし、制限しても行動してしまうケースであれば、制限自体に意味があるのかどうか、疑わしくなります
・・・で、たまたま私は親の介護をしているので ( ザ‐独居、なんですけど何か? )
今回も家族の体験談を書かせて頂こうと思います kakikaki
私の親は転倒すると骨折する可能性が100%なので、絶対に起こしたくありません(重度の骨粗鬆症、5か所以上の骨折既往あり、過去にお湯を汲んだだけ又は物を持っただけで折れたことあり…い、痛い、骨折治療の為に3か月入院し、要介護状態となってしまいました)
親自身も二度と入院はしたくないと涙ながらに言っており、私たち家族も入院生活の大変な出来事を知っているだけに、本当に転倒だけは避けたいと思っています
・・・なのになのに、退院して間もなく、本人は退院できた嬉しさからか
一人で庭へ出ちゃったり ( えっ! )
階段を上って2階から布団を下ろして来たり ( へっ?? )
これまでの経過からすると 、 と・とても信じられない行動をとったのです
初めは耳を疑いましたが、こうした行動は一度や二度ではありませんでした
当然家族は都度激怒 何を考えているのかと…、また入院したいのかと・・・
本人を問い詰め、反省の弁を期待しましたが、
「だって一人で暮らしてるんだから仕方がない、気をつけてるから大丈夫大丈夫」とのことピキ
( この後 さらなるバトル劇場で~っす)
≪ この時期の皆の意見はこんな感じでした ≫
●家族…外には一人で行かない!2階は絶対だめ、2階の用事は家族かスタッフに頼むこと!
(当然行動制限)
●リハスタッフ…そうは言っても行動してしまうので、階段昇降の訓練はしておく必要あり
(制限しつつ備えを)
●本人…ダメと言われてもどうしても必要なことがある、仕方がない、気をつければ大丈V。
(制限?必要な~し緩和緩和)
立場によって意見が違うのは当然で、どの意見も分かるような気がします
ただ、この意見の違いをどうするのか、時間は止まらないのでとりあえず方針を決めなければ
なりません
…本人の行動を制限すれば、転倒リスクは減って入院はしないで済むでしょう
でも制限することで本人の希望は叶わず、ストレスはたまり、生活の楽しみも減ることになります
※ちなみにここで…、
「まずは誰かと一緒にやりながら、徐々に練習しましょう…」的な案はもちろん出ました
でも本人は前述した考えで…、我慢できずに勝手に行動してしまいました
… さて、1年経ったこの結末ですが、果たしてどうなったのかというと、
つい先日、階段あと5段の所から落ちてしまいました
幸い体は無事( ふぅ~ )
本人は家族からの 「 二度と2階に行ってはダメ!分かった? 」に対して
しばし沈黙のあと 「・・・はい」 と素直? でした( ん?沈黙は反抗?)
皆さんもケアマネという立場で、その方の安全性と自立支援に悩むことがあると思います
そういう時は関係者や専門職の意見などを聞いて、合意点を見つけ、進めていることでしょう
でも全てがそのように進む訳ではないので大変ですよね
簡単に結論は出ませんが、決して一人で抱え込むことのないよう、常にお気をつけください
最後までお読みいただき、ありがとうございました